teren-paren DIARY

本とマンガと映画のゆるい記録をつけていきます

「みをつくし料理帖」を読みました(1)

めっきり寒くなりました。

寒いのが何より苦手なので、せめて温かい食べ物が出てくる話が読みたい。

ということで、みをつくし料理帖シリーズを再読。

 

目的は酒粕汁が出てくる話だったのですが、みをつくし料理帖シリーズは10作+特別巻の計11作。

収録されたのが何巻だったのか忘れており・・・

最初から読むことにしました。

 

 

故郷の大坂で天涯孤独の身となり、料理人として育てられた澪が、

大坂の味が江戸でなかなか受け入れてもらえない、とか

有名な料理屋が卑劣な方法で邪魔をしてくる、とか

いろいろな試練を乗り越え、悩みながらも、料理人として成長していく話。

 

初めて公開する形で感想を書くので慣れないのですが、

なるべくネタバレはなしで。

ネタバレかな?と思ったときはその旨宣言して書きます。

というわけで、以下ネタバレを含む。

 

 

 

シリーズの最初なので、大坂と江戸の違いに困惑する姿が多いです。

粕汁の話はさっそくこの1作目に収録されていたので、目的はすぐに達成。

それだけでなく、とろとろ茶碗蒸しもおいしそう。

そして読み始めると、細かいところを忘れているため続きが気になる。

ので、続けて3作目まで再読。

 

幼いころ偶然出くわした易者に、

「艱難辛苦が降り注ぐ。その苦労に耐えて精進を重ねたら、真っ青な空を拝むことができる」

と見立てられた澪なので、かわいそうなくらいに次々と試練が舞い込みます。

そのひとつひとつに真正面から何とかしようとする澪があんまり健気で一生懸命で、

まるで娘か孫を見守るように応援したくありながらも、

真面目過ぎて、ちょっと遠くて、親しめないような・・・

 

と、思いながら読み進めていると、シリーズ2作目「花散らしの雨」。

うっかり茹でてしまった胡瓜を口にしたときの慌てた驚きようと、

ふらりと現れては澪をからかう浪人・小松原に仕返しのからかいを返すところで、

同じ年頃の友だちのような感じで読めるようになりました。

 

そして3作目「想い雲」。

そもそも澪が大坂から江戸にやって来てとどまることになったのは、

天涯孤独の身になった澪を料理人として育ててくれた料理屋が火事に遭い、

主人とその妻・芳とともに、江戸に出店した料理屋の息子を頼ってやって来たものの、

その息子・佐兵衛が消息を絶ってしまっており・・・という、

試練に次ぐ試練といった事情があるのですが、

3巻目で、ようやくこの息子について、その経緯が判明していきます。

と、並行して、2巻までに登場していた、吉原で勤める料理人・又次や、青年医師・永田源斉に想いを寄せる美緒との交友も深まっていきます。

 

以上の1~3巻で、シリーズ中で澪をとりまく主な人はほとんど出揃い、人となりもしっかりわかってきたような感じです。

特に続けて読むとより強く印象に残るのは、

・ひらめきのきっかけは、ひたすら誠実で真面目で、澪やその周りの人々をよく気にかけてくれる源斉。

・完成度を高めるヒントを与えるのは、いつもふらりとやって来ては澪を「下がり眉」とからかう小松原。

と、対称的な2人です。 

 

残りの8作を再読して、また続きを書きます。

 

 

みをつくし料理帖は、北川景子さん主演のテレビ朝日版、黒木華さん主演のNHK版のドラマが放送されていました。

どちらも楽しく見た記憶がありますが、特に思い出すのはNHK版。

 

 本編後に料理コーナーがあって、黒木華さんが「江戸時代の割烹着姿の澪」の状態で「現代の調理器具」を使って料理をするんです。

すごく機能的そうなキッチン・・・!

そしてそこにいるのは、まぎれもなく澪ちゃん・・・!

そこにある便利なものは全部使って、思う存分料理をするんだよ・・・!

という感動と謎の応援をする。

本でも、現代の我々が現代の道具を使うレシピとして「澪の料理帖」が掲載されていますが、映像で見ると、ものすごく印象深かったのでした。